ぷんブック

読んだ本について書きます

他人に流されない強さ

今回は89ページまでを読み進めました。

 

この部分でもやはり、ジェフが自信家であることを示すエピソードが盛りだくさんでした。「我々は月まで行ける」発言はその最たるものでしょう。

Amazonは実在する店舗を持っていませんから、スターバックスのレジ横にAmazon商品を置くという話を検討したことがありました。その際に向こうから要求された「Amazonの株式の10パーセントと取締役ひとり」を飲まず、(ジェフは提供する持ち分をせいぜい1パーセントと考えていた)結局その提携話はご破算になってしまいます。

スターバックスの創業者シュルツの「あなたたちは現実の店舗を持っていないことが伸び悩む原因になるだろう」と発言したのに対しジェフは、「いや、月まででも行けると我々は思っていますよ」と堂々と切り返しました。

 

また、バーンズ&ノーブルとの闘いは興味深いです。米国最大手の書店であるこの会社が、オンライン事業に乗り出すという噂はAmazonをざわつかせました。

提携を持ち掛けられたもののメリットがないため断ると、本格的に対立構造が生まれました。バーンズ&ノーブルがAmazonの打ち出す「地球最大の書店」が虚偽であると連邦裁判所に訴えるようなこともありました。その事件の起きた月末にはバーンズ&ノーブルのウエブサイトが立ち上がり、なんとAmazonを冷やかすレポートまで発表したのです。

Amazon社員はうろたえました。しかし、ジェフはチェーン展開するバーンズ&ノーブルがオンライン事業を本格化するのは難しいと思っていたし、実際にその読みは当たりでした。損失を恐れるために優秀な社員をオンライン事業に投入することをためらったり、小口配送のノウハウがないなど、バーンズ&ノーブルには問題が多発したのです。

 

「他社の心配などするな。他社が我々にお金をもたらしてくれることなど、いずれにしてもないのだから。考えるべきは顧客だ。集中しよう」

ジェフが動揺する社員達に喝を入れるため発した言葉です。

毅然とした態度で冷静に状況を読む姿勢は、頭ではそうしようと思っていてもなかなか行動できるものではありません。そのあたりにジェフの経営者としての強さがにじみ出ているのでしょう。